こどものNMD(神経筋疾患)に
“気づく”サイト
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【監修】国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター長 小牧 宏文 先生
もしかしてNMD*かも? ゆっくりな運動発達のなかに、 まれに隠れている NMD(神経筋疾患)について
お子さんが歩きづらそう。ジャンプができない。床や椅子から立ち上がりづらそうにしている…。
お子さんの運動能力は個性によるところがほとんどです。しかしこういった特徴が長く続いたり、症状が少しずつ進んでいくような場合には、まれに“NMD(神経筋疾患)”というグループに分類される病気たちが隠れていることがあります。
NMDは症状が進んでいく病気なので、早期受診と早期診断が重要となります。最近は医療の進歩により治療できる病気も増えつつあります。
このページで紹介しているクイズは、同じ疾患のこどもたちに、 できるだけ早く病気に気づいて欲しいとご協力くださった、患者さんとご家族のインタビューを踏まえて開発されました。
NMDに関する説明とあわせて、ぜひご覧ください。
*NMD:Neuromuscular Disorders
体験談interview
クイズで気づくACTION
所用時間
約1分
対象年齢の
めやす
2 ー 14歳
NMDの説明INFO
“NMD(神経筋疾患)”とは、脳や脊髄、末梢神経、または筋肉などの異常によって、運動機能に影響をおよぼす病気の総称です。代表的な疾患に「筋ジストロフィー」「脊髄性筋萎縮症(SMA)」「ポンペ病」などがあり、どの疾患にもよく似た症状が現れます。そのため、専門の先生による適切な検査と診断のために、小児神経内科や脳神経内科の受診が必要です。
どんな病気が
あるの?
筋ジストロフィー
筋肉が壊れやすく、筋肉の再生が追い付かなくなる希少な病気です。そのため、筋力が徐々に低下し、運動機能など、さまざまな機能に障害が起こります。人口10 万人あたり 17〜20 人程度 ※1 と言われており、原因や症状によって数種類に分類されます。中でも発症頻度が高いとされるのが、主に男児に発症する「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」です。症状の現れ方には個人差がありますが、歩き始めが遅れるなど、乳幼児期から症状が現れ、体の中心に近いところから筋力の低下が起こり始め、その後進行していきます。
※1 難病情報センターホームページ( 2020 年 5 月現在)から引用
脊髄性筋萎縮症(SMA※2)
運動のために使用する筋肉をコントロールする神経がだんだんと失われていく、進行性の希少な病気で、人口10万人あたり1〜2人程度に発症する ※1 と言われています。赤ちゃんから大人まで、はばひろい年齢で発症し、症状の程度も患者さんそれぞれで異なります。いくつかのタイプがありますが、1歳半以降に症状が出始めるⅢ型SMAというタイプは、一度は歩けるようになったのちに、少しずつその運動機能が失われていきます。運動神経の病気なので、知的には影響がないことも特徴です。
※1難病情報センターホームページ( 2020年 5月現在)から引用
※2 spinal muscular atrophy: SMA
ポンペ病
体内の細胞内の小器官:ライソゾームで、不要になった物質の分解がうまく行うことができない「先天代謝異常症」の 1 つで、筋力の低下をはじめ、さまざまな症状が現れます。患者さんは人口 4 万人あたり 1 人程度 ※3 と言われており、乳児期から発症する場合もあれば、成人になってから発症することもあり、その程度や時期は個人差があります。運動機能だけでなく、呼吸がしづらかったり、風邪をこじらせたり、気管支炎などの呼吸器の感染症にかかりやすくなるのも特徴です。
※3 Martiniuk F et al. Am J Med Genet 79(1) : 69-72, 1998
その他、似た症状が現れる
小児のNMDの代表例
遺伝性ニューロパチー、先天性ミオパチー、筋強直性ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、免疫介在性ミオパチー、 先天性筋無力症候群、(ポンぺ病以外の)代謝性筋疾患など
診断フローFLOW
もしも、
疾患の疑いがあったら
どうすればいいの?
STEP 1
専門施設を探す
このサイトで紹介した疾患などの相談ができる専門施設(小児神経内科や脳神経内科など) をご紹介します。疾患別の専門施設にはなりますが、NMD 全般についてご相談いただけます。
このサイトで紹介した疾患などの相談ができる専門施設(小児神経内科や脳神経内科など) をご紹介します。疾患別の専門施設にはなりますが、NMD 全般についてご相談いただけます。
STEP 2
専門の先生に相談
このサイトを見て「もしかしたら」と思われたら、様子をみてお時間を過ごされるよりも、「 STEP1 」で検索した施設に早めに受診し、専門の先生(小児神経内科医、脳神経内科医)に相談してみませんか?
※紹介しているクイズやダンスは、疾患の診断をするものではありません。
STEP 3
詳しい検査で確定診断
受診先で専門の検査(酵素活性測定や遺伝学的検査など)を行います。
※遺伝子の突然変異によって生じることも報告されているので、必ずしも遺伝によって発生するものではありません。