もしかして!NMD

ポンペ病の
お子さんのいらっしゃる森さん(仮名)の経験

背の順で感じた
「もしかして…」

他の子よりも細く、朝礼ではいつも一番前……
2歳の頃から体の成長の遅れが気になるように

娘の綾香(仮名)の出生時の体重は2700gで、とても元気に生まれてきてくれました。成長の遅れが気になるようになったのは、2歳前後のときです。同じ年齢のお子さんたちに比べて「体つきが細いなぁ」、「身長もあまり伸びないなぁ」と感じていました。

3歳になり幼稚園に入園すると、体型だけでなく運動発達面での遅れも気になるようになりました。例えば、歩くスピードが遅いことです。幼稚園への行き帰り、お友達と並んで歩き始めても、少しずつ綾香が遅れてしまいます。走るのも苦手なようで、運動会などでのかけっこはいつもビリでした。ただ、綾香は1歳のときに喘息だと診断されて治療を続けていたので、運動が苦手なのはその影響かもしれないと思っていました。

また、5歳の頃、健診で肝機能異常を指摘されましたが、当時かかっていた中規模の病院で「このくらいであれば、様子を見ましょう」と言われたため、心配ではありましたが大きな問題ではないのだろうと受け止めていました。

小学校に入学したあとも娘の身長はあまり伸びず、朝礼ではいつも一番前でした。運動が苦手なのも変わらずで、自転車にもなかなか乗れるようにならなかったですね。足を踏み込んでペダルをこぐ動作が難しいようでしたが、運動には得手不得手があります。身長も高校生になってからグンと伸びる子もいれば、早く伸びてしまって、その後はあまり伸びずにいる子もいると聞いていましたから、同級生と比べると成長が遅いとは感じてはいましたが、それ以外はまったく普通の女の子だと思っていました。

8歳、低身長が気になりホルモン検査を受けるも「正常範囲内」

ただ、8歳になっても身長の伸びが悪かったのが気になって、喘息でかかっていた医師に相談してみました。成長ホルモンの問題かもしれないと専門のクリニックを紹介され、ホルモン検査を受けたところ「成長ホルモンの分泌量は少ないけれど、ぎりぎり正常範囲内」という結果でした。このときは様子を見ることになったのですが、1年経っても身長は伸びません。そこで、もっと詳しい検査を受けたほうが良いだろうと小児の専門病院を紹介していただきました。紹介された病院では筋肉の病気が疑われ、筋組織の検査と血液検査を受け、1ヵ月後にポンペ病と診断されました。

医師からは現れやすい症状として歩く、走る、跳ぶなどの動作で発達の遅れが見られる、呼吸がしづらかったり風邪をこじらせたりしやすいという説明があり、「そうだったのか」と納得できました。身長の伸びが悪いことも、歩いたり走ったりするのが遅いことも「個人差の問題」だと思いつつ、それでも「何かおかしい」という感覚は、ずっと頭のどこかに引っかかっていたからです。難病だということはショックでしたが、治療法があると聞いて、「病気だと嘆く前にできることがある」と前向きに考えることができました。だからこそ、娘にも病気のことを包み隠さず説明して、「運動も勉強も、病気のせいじゃないよ。君の努力次第でどうにでもできるんだから、今やれることを一生懸命やろう」と、落ち着いて話すことができたのだと思います。

高校生活を満喫!
先のことを心配し過ぎず、今を大切にしてほしい

高校生になってからは、体力面では同級生に比べて劣っていて、運動は苦手なようでしたが、階段の上り下りを含めて日常生活には大きな支障はなく過ごせていました。部活動にも打ち込み休日には友達とディズニーランドに出かけるなど、通院を続けていること以外はごく普通の女子高生として高校生活を楽しんでいたようです。

この先はどうなるのかは分かりませが、見えない先のことを心配し過ぎるよりも、今を大切にしてほしい。「今できることを一生懸命やろう」という思いを忘れずに、自分の力で未来を切り開いていってほしいと思っています。

プロフィール

9歳のときにポンペ病と診断された綾香さん。診断直後から治療を受けています。高校生になってからは授業に支障が出ないよう、土曜の午後に治療ができる病院まで電車とバスを乗り継いで通院していたそうです。現在は、社会福祉施設で栄養士として働かれています。

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